気配 墨田区緑
江戸時代初期に武家地として拓かれた墨田区南部は、早くから区画整理が進められたこともあって、路地的な情景はほとんどありません。明治以降は工場地帯として発展しました。高度成長期、街は工場で働く人たちで賑わい、盆・正月を間近にひかえた錦糸町駅周辺の商店街は、故郷への土産を買い求める人たちで溢れかえり、身動きがとれないほどだったと聞きます。
今、工場の多くはマンションやオフィスに姿を変えてしまいましたが、ふとした加減で往時の気配を感じる瞬間があります。この写真は昨年の秋に撮ったものです。作業帽をかぶった背広姿の老人を目にした途端、遠い時代の風景が垣間見えたような気がして、シャッターをきりました。
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